2 僚大さんの 世界とのかかわり方

僚大さんの世界とのかかわり方 僚大さんの世界とのかかわり方 僚大さんの世界とのかかわり方 僚大さんの世界とのかかわり方
つくり手今野僚大こんの ともひろ
レコメンバー武田和恵たけだ かずえ

推薦文

僚大さんは、テレビ番組のことや歌謡曲など、好きなものを日々たくさん描きます。外出時には、必ずペンとノートを持ち歩き、見聞きしたものを書き留め、絵を描くことや身体をうごかすことで表現して人に伝え、まわりを楽しい気持ちにしてくれます。

僚大さんはいま、自分の仕事を“描くこと”として、日々作業所で絵を描いている。「中学部に入り大人に向かう過程で“働く”スキルばかりが求められ苦しんだ時期もあったが、自分の中にあるものを表すことを生きていく軸に据えた時、“自分のしたいこと”と“周りが求めるすべきこと”のさじ加減を自分で選べるようになり、20歳になった彼は実にのびのびと生きている」と母・由貴さんは語る。

障害のある人とアートの活動をつなぐ仕事をしている武田さんは、「世界のおもしろさやわくわくすることをたくさん感じてほしい」と思いながら僚大さんに関わってきた由貴さんと意気投合。ある日、今野親子と映画を見に行くと、僚大さんは暗闇の中で、映画の内容を描きとめ続け、上映後、周りの人に「見てください」と言って、絵と身体で映画の内容を伝えていた。武田さんは、伝えることを自身の本分とする人の凄みを感じながら、しかも楽しく面白く伝えようとしてくれる僚大さんの姿にいつも癒されている。