46 シャチョーの音楽

シャチョーの音楽 シャチョーの音楽
つくり手シャチョー(ヒサト)と母・えりな
レコメンバーS

推薦文

シャチョーは朝が苦手な小学6年生。えりなの世界は彼を中心にまわっている。シャチョーは言葉を使わないため、小さい頃から棒や音具を鳴らし、身体をゆらし、好きも嫌いもウマいもまずいも表現してきた。最近、彼が奏でる即興の音楽は巷で話題になっている。

音や声、仕草で感情を表し、人とコミュニケーションを取るヒサトさん。彼が楽器を弾き始めると、傍らにいる人たちは音に耳を澄ませたり、言葉ではない意思疎通の仕方を探したりと、彼が軸となって、周囲にも変化が生まれていく。
ここ数年、音楽を奏でる表現者としてイベントに呼ばれるようになり、音楽家・山路智恵子さんとも度々セッションを重ねている。出番の日には、母のえりなさんがヒサトさんのコンディションを万全に整えてサポート。ヒサトさんが誰かと演奏を楽しんでいる間、えりなさんは少し離れた場所からその様子を見守っている。
障害のある人の芸術活動支援を仕事としているSさんにとって、ヒサトさんはいつも自分たちの考えるべきことを示してくれる人。そのため、ヒサトさんをシャチョーと呼んでいるのだそう。「彼が表現したときに、みんなの見方が変わる。その瞬間が面白いと思うんです。もちろん、奏でられた音も好き」とSさんは語る。