30 海辺の図書館

海辺の図書館 海辺の図書館 海辺の図書館
つくり手海辺の図書館のみなさん
レコメンバー小林美香こばやし みか

推薦文

ここは、本のない図書館です。荒浜の豊かな自然に触れて、人が集い、おしゃべりし、帰る頃には、まるで1冊の本を読み終えたかのように知見が広がり、充実感に包まれる。そしてまた来たくなる。人が物語を紡いでいく。そんな図書館です。

「荒浜の自然やそこで出会う人々を“本”と捉え、ここで過ごす時間を読書のような感覚で楽しめれば」という思いから、館長・庄子隆弘さんの自宅跡にプレハブ小屋が建ったのが2014年。本のない図書館に地元の人や荒浜ファンたちが集まって好きなことをしているうちに、花が植えられたりコレクションが増えたり、日々変化している。図書館メンバーと訪れる人との間には垣根がなく、コミュニティが緩やかであることも特徴。
自身も荒浜で活動している小林さんは、休みの日になると基本ぼーっとしに図書館を訪れ、居合わせた人たちとのおしゃべりやご飯をのんびりと満喫する。「その日やりたいことを、やるか! と一緒に楽しめる人がいるし、見知らぬ人がふらっと来て輪に加われる。その懐の広さが魅力」と語る。
また、海辺の図書館は、砂浜を会場にした写真展や能楽、まちあるきやビーチクリーンなど、災害危険区域となったまちで活動する多様な人々にとっての拠点にもなっている。