28 柚子さんが撮影した、 柏倉さんの日々のいたずら

柚子さんが撮影した、柏倉さんの日々のいたずら 柚子さんが撮影した、柏倉さんの日々のいたずら 柚子さんが撮影した、柏倉さんの日々のいたずら
つくり手柏倉佑哉かしわぐら ゆうや
近藤柚子こんどう ゆずこ
レコメンバー武田和恵たけだ かずえ

推薦文

佑哉さんは、いたずらで人が通るところに物を並べ、通行人とのやりとりを楽しむことがありました。佑哉さんの通う作業所のスタッフ・柚子さんは、じゃまだなとも思いましたが、おもしろい並べ方だったので写真に撮ってみたそうです。佑哉さん独自の人との関わり方を受け入れる柚子さんのまなざしがいいなと思いました。

2013年の数ヶ月間、日用品を並べることからレンガを積み上げることへと変化しつつ続いた佑哉さんの“いたずら”だったが、次第におこなわれなくなったため、それを撮影していたスタッフの柚子さんも写真の存在自体を忘れていたという。今年、武田さんが関わった『やまがたでつながるボーダレスアート展2019〜きざしとまなざし』の企画を知った柚子さんは、このことを思い出し、応募。
特に障害を持った人の表現は、場合によっては“問題行動”と捉えられてしまうが、それを理解しようと努めたり、面白がったりする人の視点を介すことで、その魅力を伝えられるのではと考えていた武田さんは、この写真を見せられて嬉しくなったという。柚子さんのまなざしは、佑哉さんが佑哉さんらしく生きることや、人と人が関係性を作るときにとても大切なものだと感じたという武田さん。
一連の写真は、柚子さんとの関わりによって、佑哉さんの“いたずら”が彼自身の表現として見事に可視化されていると評価され、大賞となった。