11 ミエコさんのちりめん細工

ミエコさんのちりめん細工 ミエコさんのちりめん細工 ミエコさんのちりめん細工
つくり手ササヤミエコ
レコメンバー佐竹真紀子さたけ まきこ

推薦文

ちりめん細工はミエコさんの部屋の隅々に置かれ、訪問した人をお出迎えする。作りたいときに作りたいものを作り、できた後はついつい人にあげちゃう太っ腹なミエコさん。どこか作者似の人形たちは、貰った人の家で飾られ、さりげなく暮らしを彩っているのかも。

震災でふたりの息子を亡くしたミエコさんの元に、ある日、見知らぬ人からちりめん細工のお地蔵さんが贈られてきた。
そのお地蔵さんを見たミエコさんは、「自分でも縫えるのかな。お子さんを亡くした人たちに、おんなじく贈りたいな」と見よう見まねでちりめん細工を作り始め、作ったお地蔵さんを親御さんたちへと手渡した。
それ以来ちりめん細工にすっかり夢中になり、お地蔵さんや定番の吊るし飾りだけでなく、サンタクロースや赤オニなどの創作人形に力を入れ、作品は日々大型化している。
レコメンバーの佐竹さんは、笹谷夫妻が仙台市蒲生の住宅跡地に建てた『舟要の館』を初めて訪問した際に、ちりめん細工を目にした。室内の一角が美しく設えてあることや、その人形たちのほのぼのとした柔らかい表情を眺めて、「私はここに来ていいのだろうか」とその時抱いていた緊張がほぐれたのだと語った。